スマホ選びに潜む判断基準を把握する 〜女性20代iPhoneユーザーの特徴とは!?〜

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生活者データ
#ACR/ex #ライフスタイル #消費者心理 #行動実態
スマホ選びに潜む判断基準を把握する 〜女性20代iPhoneユーザーの特徴とは!?〜

本記事の要旨

・女性20代のスマホOSユーザー割合は、iOSがAndroidを圧倒していた
・両者を比較するとユーザー像が異なっていた
・要因は、両者の商品選びの判断基準が影響していた
・スマホ選びの段階でユーザー特性が隠れているからこそ、スマホOSによるユーザー像に違いが出る

スマホOS別ユーザー分析の重要性とは?

マーケティングに従事する皆さんはスマホのOSについて普段どれほど意識されていますか。実はこのOS、たくさんのユーザープロフィールが詰まった非常に重要な情報なのです!
アプリ開発時やアプリを通じたマーケティング活動時には、ユーザー像の想定・把握が欠かせません。ですが、OSでユーザーを分類・比較することは案外見落としがちではないでしょうか。今回はOSによるユーザー分析の重要性を説くべく、女性20代のスマホユーザーを例にOSによるユーザー像の違いについて紹介します。

今回は、当社が保有する大規模調査データベース「ACR/ex」を用いて、そのユーザー像を分析してみました。

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【ACR/ex】

OS別利用状況

まず、私たちが利用しているスマホのOS利用状況をみてみましょう(図1)。

【2020年スマートフォン所有率】 2020年スマートフォン所有率

【性年代別のスマホOS利用状況】性年代別のスマホOS利用状況データソース:ACR/ex2020年4-6月,男女12〜69歳,7地区調査 ウエイト集計

若者はiOS、シニアではAndroidユーザーが多数派。分岐は40代。

全体(男女12〜69歳)のスマホの所有率は93.8%までに達しており、現代人にとって必需品といってもよいでしょう。OSの利用をみると、まず、iOSとAndroidユーザーの合計が9割近くを占めていることから、スマホユーザーはiOSユーザーとAndroidユーザーに大きく二分できます。年代別の内訳をみると様相が変わってきます。男女ともに30代まではiOSユーザーが多く、40代では両者拮抗、50代でAndroidユーザーがiOSユーザーを上回る結果となっています。中でも、女性20代のiOSユーザーは7割以上を占め、iOS優位が顕著です。彼女らの親世代とみられる50代の影響を受けていないというのが驚きです。

なぜこれほどまでに、年代による利用OSに違いが出てくるのでしょうか。もちろん、年代によるスマホの使用用途により機能面や価格面など、重視する点が異なることがひとつの要因だと考えられます。しかし、それだけでは女性20代のiOS(=iPhone)の圧倒的な人気は説明できません。それ以外に、スマホ選びの背景にあるそもそものユーザー像に違いがあるのではないでしょうか。

女性20代iOSユーザーの特徴とは?

そこで今回は、マーケティング活動全般に通ずる購買にまつわる意識や行動について、女性20代iOSユーザーを同年代Androidユーザーと比較し、ユーザー像を把握していきます。なお、女性20代の大半がiOSユーザーであるため、「20代iOSユーザーの特徴」≒マジョリティな「女性20代」の姿ともいえますが、それを踏まえて考察していきます。

まずは、情報に対する意識です(図2)。

【図2】情報に対する意識データソース:ACR/ex2020年4-6月,女性20〜29歳,7地区調査 ウエイト集計

情報収集に関する項目(緑枠)、自分のデータの提供についての項目(紫枠)、情報共有についての項目(赤枠)に分けてみていきます。
まず、情報収集に関する項目(緑枠)についてです。iOSユーザーは「情報収集に熱心なほう」「口コミ情報を参考にすることが多い」といった項目で、Androidユーザーよりも10ポイント以上上回っています。また、広告への関心や、関連サイトの確認といった項目も5ポイント以上上回っています。さらにiOSユーザーは自分が良い、面白いと感じたことを「伝えたい」「話題にしたい」と情報を共有(赤枠)することに積極的な人が多いのが分かります。
このことから、Androidユーザーよりも情報に敏感で、積極的に情報を受発信する行動をとっていることが分かります。

次に、自分の持つデータの提供について(紫枠)です。自分の持つデータを「得するなら」「個人を特定されないなら」提供しても良いと考える割合は、iOSユーザーで多く、それに対して、提供したデータの使い道に関して「気になる」とする割合は、Androidユーザーが上回る結果となっています。ここからはデータ提供に積極的な人はiOSユーザーに多く、データ提供に慎重な人はAndroidユーザーに多いと言えるでしょう。

なぜiPhone?Android?

次に、商品購入の意識です。ユーザーはなぜiOSのスマホ(iPhone)、Androidのスマホをどう選ぶのでしょうか。iOSユーザーとAndroidユーザーの商品購入の際の意識について調べてみるとスマホ選びの背景が見えてきました(図3)。

【図3】商品購入の意識商品購入の意識データソース:ACR/ex2020年4-6月,女性20〜29歳,7地区調査 ウエイト集計

赤枠で囲んだ項目は、iOSユーザーがAndroidユーザーよりも7ポイント以上高い項目、一方、青枠で囲んだ項目は、AndroidユーザーがiOSユーザーよりも高い項目です。まず目を引くのは、iOSユーザーは「買い物好き」、Androidユーザーは「買い物に時間・手間をかけたくない」と消費意欲や意識が真逆であることが確認できます。
その上で、赤枠で囲った項目をみると、iOSユーザーは商品を選ぶ際、「周りの人の評価」や「ブランド力」「流行りもの」が判断基準のひとつになっていることが分かります。iOS(iPhone)の持つブランド力がiOSユーザーにとって大きな魅力となっていると推察できます。
それに対して青枠で囲った項目をみると、Androidユーザーは商品選びの判断基準として「機能・性能面」を重視していることが分かります。

これらのことから、女性20代におけるiOSユーザーとAndroidユーザーとで商品選びの判断基準が違うことが分かります。この違いがスマホ選びの際にも表れた結果、OSによるユーザー像の違いが生まれたのだと考えられます。

まとめ

女性20代は、iOSの割合がAndroidに比べ圧倒的に大きく、両者を比較するとユーザー像が違うことが分かりました。その要因としては、両者の商品選びの判断基準が影響しており、それがスマホ選びにも表われたということがうかがえました。このように、スマホを通じたマーケティングの際には、ターゲットを捉える上で、スマホOSによりユーザーを分析していくことも大事であると考えています。

参考)昨年6月にApple社から昨秋のiOS14以降のアップデートにより「IDFAのオプトイン化」が発表されました(時期延期の発表があり、現時点では実装されていませんが、今年の前半以降に実装される予定です)。

この「IDFAのオプトイン化」により行動データ取得によるユーザープロフィールの把握が難しくなるという背景もあります。iOSだけでなく、他OSについても今後同様の措置がとられる可能性も否定できません。

詳しくはこちら? iOS14アップデートによるIDFAオプトイン化〜アナタの業務に与える影響は?〜

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