「サーバー(サーバ)とは?」今さら聞けない!基本の『キ』
- この記事はこんな方にオススメ!
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- メディア・広告絡みでデジタルマーケティングに接している もしくは これから接していく立場にある
- デジタルマーケティングのことは、「なんとなく」は分かるけど「詳しく」は分からないかも・・・
日々急速な進化を遂げるデジタルマーケティング業界。
皆さんも、毎日のように各社から発信されるニュースで最新情報をキャッチアップしたり、実務上デジタルマーケティングに関わることも多いかと思います。
このコーナーでは、皆さんがニュースや業務で触れるデジタルマーケティングに関する多くのサービスで頻繁に目にする・・・けれども、"基本"であるがゆえ、詳しく説明されることが少ない「単語」や「仕組み」について、初心者にもわかりやすく説明していきます。今回は「サーバー(サーバ)」をテーマにお届けします。
【1】サーバー=特定サービスの"提供係"
サーバー(Server)という単語を直訳すると「仕える人」という意味となります。
たとえば「ウォーターサーバー」と言えば、美味しいお水をいつでも簡単に飲めるよう作られた専用の機械だと言うことは皆さんご存じのことでしょう。
ITの世界においても同様で、サーバーはインターネット上における特定のサービスを提供するための専用ソフトウェア、もしくはそのソフトウェアが入ったコンピュータをさします。「サーバ」と書くこともありますが、意味は同じです。一言で言えば、特定サービスの"提供係"といったところでしょうか。
では、「特定サービス」とはどんなものをさすのでしょうか?
【2】サービス視点で見たサーバーの種類
前述の通り、サーバーは特定サービスに特化した"提供係"なので、そのサービスは多岐にわたります。 ここでは皆さんがイメージしやすい代表例5種をご紹介します。
①メールサーバー
名前の通り、「Eメールの送受信」を行う提供係です。
具体的には、「Eメールの送信」専門サーバー(SMTPサーバー)と「Eメールの受信」専門サーバー(POP3サーバー/IMAPサーバー)の2種類に分かれています。
②ファイルサーバー
こちらも名前の通り、「ファイルのやりとり」を行う提供係です。自社内やお客様と安全な方法でファイルのやり取り・保管を行うことができるので、テレワークが増えた今業務上の利用が増えているサーバーの1つともいえます。
なお、似たものとしてファイルストレージがあります。iCloudやGoogleドライブ、Dropboxなどが代表例で、プライベートで撮った写真や動画を保存することで、スマホ本体の容量を減らしている方もたくさんいると思います。
ファイルサーバーも同様に写真や動画を保存することができますが、ファイルストレージが「1人1人の個人が自分のファイルを個別に保存する」ことに重きを置いているのに対し、ファイルサーバーは「関係者みんなでファイルを共有する」ことに重きを置いているためセキュリティの管理面などでサービスの仕様には細かな違いが多くあります。
③データベースサーバー
ウェブサイトには多数のコンテンツが用意されています。そのコンテンツを「データベースとして保存・管理する」役割を担っている係がデータベースサーバーです。
たとえばファッションECサイトの場合、
【ジャンル】トップス ・ボトムス ・バッグ ・シューズ ・小物...
【詳細カテゴリ】半袖Tシャツ ・長袖Tシャツ ・カーディガン ・セーター ・タンクトップ...
【ブランド】アディダスの半袖Tシャツ ・プーマの半袖Tシャツ ・リーボックの半袖Tシャツ...
【ブランド別ラインナップ】アディダスの半袖Tシャツ 品番「1234」 ・品番「5687」...
【サイズ/色】・品番「1234」の黒色Sサイズ ・黒色Mサイズ ・白色Sサイズ...
と細分化されたカテゴリが階層構造で存在しています。
これらをきれいに格納し、簡単に取り出せるようにするのがデータベースサーバーの役割です。
④アプリケーションサーバー
③データベースサーバーとセットになって動くことが多いのがこちらです。「(あらかじめ)組まれたプログラムを動かす」係といえます。
たとえばファッションECサイトにおいて、
"アディダスの半袖Tシャツ 品番「1234」の黒色Sサイズを見たい"という情報が来た場合に、 データベースサーバーから指定されたとおりに【ジャンル】→【詳細カテゴリ】→【ブランド】→【ブランド別ラインナップ】→【サイズ/色】をまわり、アディダスの半袖Tシャツ 品番「1234」の黒色Sサイズに関する情報を返す・・・というプログラムをあらかじめ組んでおくことでユーザーの希望を叶える役割を担っています。
この役割をデータベースサーバーそのものに持たせることもできますが、負荷が大きくなるためアプリケーションサーバーに持たせるほうが一般的です。
⑤WEBサーバーとアドサーバー
WEBサーバーは、皆さんが使用しているブラウザで「ウェブサイトを表示させる」係です。ウェブサイトを構成している文章や画像、動画などを保管しており、ブラウザから情報が来ると、必要なデータをブラウザに送り返す役割を担っています。
ウェブサイトを構成している情報量が多い場合は③データベースサーバーに別途保管し、④アプリケーションサーバーを使うことでそれぞれのサーバーの"得意領域"を活かし、情報のやり取りをスムーズに行えるようにしています。
そしてアドサーバーは、WEBサーバーの中でもウェブサイト内で表示される「広告」=アド(Advertising)の表示に特化したものをさします。
なぜ広告に特化したサーバーがあるかというと、広告はヒトとタイミングによって違うものが表示されることが多いからです。ウェブサイトはどのヒトがいつ見ても同じものが表示されることが多いですが、広告はそのウェブサイトが1回表示されるたびに違うものが表示されたりします。このような細かな動きに対応するために、裏側の仕組みとして専用のサーバーが使われているのです。
アドサーバーやウェブサイトでの広告表示の仕組みについての詳細は以下でご覧ください。
「サイトにインターネット広告が表示される仕組み」今さら聞けない!基本の『キ』
【3】サーバーとクライアント
⑤WEBサーバーの説明において、
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ブラウザから情報が来ると、必要なデータをブラウザに送り返す役割を担っています。
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と書きましたが、このやりとりについてもう少し踏み込んで説明します。
ブラウザから「●●●(ウェブサイトの特定ページ)が見たい」という情報を出すことは「リクエスト(要求)」、
それを受けたWEBサーバーが「はいはい、これが必要な一式ね」というデータを送り返すことを「レスポンス(返答)」と呼びます。
リクエスト⇔レスポンスのワードは、ウェブサイト閲覧時以外にもコンピュータ同士の通信のやり取りにおいて頻繁に使われるワードなのでぜひセットで覚えておいてください。
そして、一般的にリクエストを出すほうのコンピュータを「クライアント」、リクエストを受けるほうのコンピュータを「サーバー」とも呼びます。
サーバー=サービス提供係なので、クライアントはその提供されたサービスを使いたいお客さんだから「クライアント」と呼ぶ・・・と考えるとわかりやすいですね。 なお、この部分をさらに掘り下げ、「ウェブサイトでインターネット広告が表示される仕組み」について説明した記事も用意しています。ぜひご覧いただき、理解を深めていただければ幸いです。
「サイトにインターネット広告が表示される仕組み」今さら聞けない!基本の『キ』
いかがでしたか?
サーバーという単語は、社会人で聞いたことがない人はいないと言っても過言ではないくらい誰もが知っているワードですがその意味や用途は意外と理解されていないことが多いです。
デジタルマーケティングにおいて、サーバーは必ずその仕組みのどこかで使われています。ご自身の業務で使われているサーバーがどんな役割を持ち、何をしてくれているのか知ることで業務がよりスムーズに進められるようになれたら幸いです。