「タグとは?」 今さら聞けない!基本の『キ』
日々急速な進化を遂げるデジタルマーケティング業界。 このコーナーでは、頻繁に見聞きする・・・けれども、"基本"であるがゆえ、詳しく説明されることが少ないデジタルマーケティングに関する「単語」や「仕組み」について、初心者にもわかりやすく説明していきます。今回は「タグ」をテーマにお届けします。
【この記事はこんな方にオススメ!】
✅メディア・広告がらみでデジタルマーケティング業務に従事している もしくはこれから業務上取り扱う可能性がある
✅デジタルマーケティングのことは、「なんとなく」はわかるけど「詳しく」はわからないかも・・・
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タグ=インターネット上のページをどう表示させるか伝える「命令文」
皆さんが普段見ているインターネット上の「ページ」と呼ばれるもの...Google検索結果ページやYahoo!JAPANトップページなどは、「HTMLファイル」によってGoogleChromeなどのブラウザに表示されます。
HTMLファイルとは、
・何を、どこに表示するのか (例:ビデオリサーチのロゴ画像は、ページのこの場所に配置する)
・それを、どんな色やサイズで/どんな文字・画像で表示するか (例:ビデオリサーチのロゴ画像の大きさは、幅○×高さ○で表示する)
などの命令文が書かれたファイルです。
皆さんがインターネット上である特定のページを開こうとすると、そのページの運営側から、皆さんのブラウザに「そのページ用のHTMLファイル」が送付されます。
皆さんのブラウザは、そのHTMLファイルに書かれた指示に従って、
・この画像はここに配置する
・最下部には、この文言を掲載する
と指示内容を表現=ブラウザ上に可視化させています。
この"命令文"の1つ1つが、「タグ」です。
たとえばビデオリサーチ公式HPトップ(www.videor.co.jp)は、下記のような命令文(タグ)の集まりによって皆さんのブラウザ上に表現されています。
< >で囲まれた文字列が「命令文=タグ」1つ分となり、どのサイトも数多くの命令文(タグ)が組み合わさることで成り立っています。
つまり、命令文であるタグをブラウザが理解することによって、初めてインターネット上のページが可視化され、みなさんがインターネットでページを見ることができるようになるのです。
「タグ」という表現を聞くと洋服を買うとついてくる値札のようなものをイメージしてしまいますが、ブラウザに何かをさせるための「命令文」だと覚えればシンプルです。
命令文(タグ)は、複数組み合わさって1つの意味になることもある
この命令文(タグ)は、必ずしも1つ1つが独立しているわけではなく、たとえば
・タグA:この画像をページ一番右上に配置して、
・タグB:改行して、
・タグC:この画像の説明文「○○○」を赤字で記載する
のように、複数の命令文(タグ)を順番どおりにブラウザ上に表現することが大事な場合もあります。
なので、すでに出来上がっているページに何らかの新しい命令文(タグ)を追加したいとなった際には、そのタグを新しく埋め込むことで、今すでにある他のタグに何か悪影響を与えてしまうことがないか、事前に確認する必要があります。
"命令"を伝えきれないときもある?
ブラウザでは、HTMLファイルに記載された命令文(タグ)を上から順に1つずつ実行しています。
ということは、ブラウザが命令文(タグ)を全部読み込み終わる前に例えば
・ページが全部表示されていないうちに、他のページへ進んでしまう
・ページが全部表示されていないうちに、F5キーを教えてしまう(リロードしてしまう)
・ブラウザごと閉じてしまう
といった行動をとった場合、HTMLファイル内に記載された指示の一部が実行されないままに終わってしまう可能性があります。
下記の例では、当社HPのページビューをカウントするための命令文(タグ)が読み込まれる"前"に他のページに進んでしまったので、実際には当社HPへのアクセスがあっても、この命令文(タグ)に基づく「このページが1回表示された」=ページビューのカウントはなされないままとなります。
なので、同じ指標(たとえば「当社HPのトップページ」のような、特定のページ)を2つ以上の命令文(タグ)を使って同じように計測しても、命令文(タグ)を読み込むのは「1つずつ・順番に」なので、出てくる数字が一致しないことは十分にありえます。
命令文(タグ)の種類
前述の通り、タグは何かを行わせるための「命令文」にあたるのですが、その"命令"の中身は多岐にわたります。
その中でも、デジタルマーケティングに接する皆さんにとって関わりが深いのは、
「このサイト(ページ)/広告における○○の数を計測する」
という場面で登場する「タグ」=命令文ではないでしょうか。
このような場面で登場する命令文(タグ)は、一般に『計測タグ』と呼ばれています。企業によっては、『トラッキングコード』や『ビーコン』と呼ぶ場合もありますが、いずれも意味は同じです。
どんなものを計測する?
計測に使用する命令文である『計測タグ』には、大きく分けると以下の2つのパターンが多いです。
A:表示された回数の計測
B:成果につながった件数=コンバージョン数の計測
A・Bがどんな"命令"を出しているのかというと、
A=「このサイト/広告がブラウザ上に表示されたら、『1回表示されたよ』と報告する」という命令
B=「このサイト/広告で、規定された成果につながる行動(例:クリック)が起きたら、『成果が1回発生したよ』と報告する」という命令
といった形になります。
具体的に流れを起こすと、Aの場合、例えば以下のようになります。
①りさ子さんが、当社HPに自宅PCのブラウザからアクセスする
↓
②ブラウザが、当社HPを表現するのに必要なHTMLファイルに書かれた命令文(タグ)を1つずつ読み込み、実行していく
⇒ブラウザによって命令文=計測タグが読み込まれ、実行されることを"(計測タグが)発火する"と言うことが多いです
↓
③その中にある命令文<このページがブラウザ上に表示されたら、ビデオリサーチ社のサーバーに『1回表示されたよ』と報告する>を読み込むと、ブラウザがその命令文に従い、ビデオリサーチ(のサーバー)に対し、「私、1回表示しましたよ」と報告する
上記の例で言うAの命令文(タグ)は、ブラウザ上でそのサイト/広告を眺めているりさ子さん側からは見えない、裏側での処理を命令しているものといえます。命令文(タグ)の中には、私たちインターネットの利用者側からは見えないところで命令を出し、処理がされていることがあるということですね。
いかがでしたか?まとめると、以下の通りです。
「タグ」、特にサイトや広告の計測を行う「計測タグ」と密接に関わってくるのが「Cookie」です。
「Cookieって、今さら聞けないけど・・・・何だろう?」という方は、こちらをご覧ください。
【22年6月追記】
そして、実際に「タグ」を用いてデジタル広告の計測を行う際にはどのような仕組みがどう動いているのか?どのような留意点があるのか?など詳しく知りたい方向けに、以下の記事にまとめておりますのでぜひご一読ください。
<参考記事>「デジタル広告の計測ってどうやるの?」 今さら聞けない!基本の『キ』
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