アンケート調査の作り方:調査の実施方法6ステップを学ぶ

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#アンケート調査の作り方
アンケート調査の作り方:調査の実施方法6ステップを学ぶ

【この記事はこんな方にオススメ!】
✅アンケート調査を自分でやってみたり、調査会社等に依頼して実施しようとしている方
✅インターネット調査のやり方を学びたい方
✅アンケート調査票(質問票)の作り方を勉強したい方

ネット上でアンケート実施ツールが気軽に使えるようになったり、SNS上で自分の投稿にアンケートを付けたりと「アンケート」は皆さんの身近なところで多く利用されています。

一方で、アンケートの実施にあたっては、気を付けておくべきポイントがいくつかあります。
このポイントがうまく抑えられていないと、そのアンケート調査結果が信用に値しないものとなり、お金や時間が無駄となるだけでなく、間違ったアンケート調査結果をもとに間違った判断を下し、企業の意思決定にも影響を及ぼしてしまうことも・・・

本記事ではアンケートの実施方法を学びたい方向けに、アンケート調査実施の流れを6ステップに分け、ステップごとにポイントを解説します。

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1.アンケートを実施後のゴールイメージを明確化させる

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まず一番最初にやるべきことは、その「アンケートで得た回答」をもとにあなたは何をしたいのか、ゴールイメージを明確化させることです。
言い換えると、「何のためにアンケートを実施するのか」目的をはっきりさせる、ということです。

例えば、あなたがショッピングモールに数多くお店を展開する洋服屋の運営会社にいるとします。
新しい業態の店舗開発をするにあたり、企画のヒントを得るための調査をしたい場合、
作ろうとしている新しい店舗が

「時代のトレンドにあったものにしたい」のか、
「競合ブランドから客足を呼び込みたい」のか、
「自社のファンの心をつかんで、客単価やLTV(顧客生涯価値)を上げていきたい」のか・・・

どの方向性を考えているのかによって、アンケートを聞く相手(調査対象者)が変わってきます。
本当は「競合ブランドから客足を呼び込む」ための店舗開発なのに、「時代のトレンドにあった」店舗開発につながるような意見が集まっても、困りますよね。

アンケート調査の回答結果は自分だけでなく、関係者や外部の企業が活用することも多いです。何のためにアンケートを実施するのかは、事前に関係者間で認識の齟齬がないよう議論し、意識合わせしておくようにしましょう。

2.アンケートを聞きたい相手(調査対象者)を決める

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次に決めるべきは、アンケートを聞きたい相手を決めることです。
アンケートを聞きたい相手のことは、「調査対象者」「調査サンプル」といった言い方をします。

1章の例のように、アンケートの実施目的により、適切な調査対象者は大きく変わってきます。
新しい業態の店舗開発の例で言えば、作りたい店舗が

「時代のトレンドにあったものにしたい」のであれば
・・・"流行りものが好きな人"が調査対象者
「競合ブランドから客足を呼び込みたい」のであれば
・・・"競合ブランドの現行ユーザー"が調査対象者
「自社のファンの心をつかんで、客単価やLTVを上げていきたい」のであれば
・・・"自社ブランドの現行ユーザー"が調査対象者

となるでしょう。

また、性別や年齢、住んでいる地域などの「デモグラフィック属性」の設定も重要です。
例えば自社で出店の予定がない地域に住んでいる人たちにアンケートを取ってもあまり意味がなさそうだということはなんとなく想像がつきますよね。

アンケートの実施目的に合った調査対象者を適切に選ぶために、以下の項目は調査対象者を決める際の基本情報として、事前に定義を決めておくことをおすすめします。

【どんな調査でも決めたほうがいいデモグラフィック属性】
●年齢
●性別
●居住地域

【目的によっては決めたほうがいいデモグラフィック属性】
●婚姻状況
●家族構成
●職業(業種/職種)
●年収

3.アンケートデータを収集するための調査手法を決める

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調査対象者の定義づけが出来たら、その調査対象者をどうやって集めればよいのかを検討します。
対象者を集めるにあたっては、調査手法も大切なポイントとなります。アンケート調査にはいくつかの調査手法がありますが、代表的なものは以下の通りです。
1.インターネット調査(WEB調査)
2.郵送調査
3.電話調査
4.訪問留置調査
5.会場調査(CLT)
6.街頭調査
7.ホームユーステスト(HUT)

この中で最も多く使われるのが1番のインターネット調査です。
手軽で、時間もコストも少なく実施できることが最も大きな理由です。そのため、近年では「調査手法を何にするか」と検討する際は、「インターネット調査で問題ないか、否か」という進め方をすることが多いです。

では、「インターネット調査では問題がありそう」となるのはどんなケースなのでしょうか。
それは、調査対象者がどんな人たちであるのか、調査の実施目的が何なのかによります。

【インターネット調査では対応が難しかったり、制約が付く例】

●70代以上の高齢層を調査対象者に含んでいる場合
・・・年齢的にインターネットを使いこなしていない人も多い世代のため、インターネット調査に回答してくれる人たちは「ネットをバリバリ使いこなしている人たち」に限られ、人口がかなり少なくなります。
郵送調査で紙のアンケートに答えてもらったり、訪問留置調査で自宅までアンケートの回答をお願いしに行ったほうが適切なケースも多いでしょう。

●発売前の新商品に関する調査を実施したい場合
・・・例えば、新しいファッションブランドを作るにあたり、ブランドロゴや宣伝用の広告ポスターを何パターンか制作し、どれを採用すべきかを決めるために調査をしたいという場合、発売前の新ブランドに関する情報が外部に漏れることを避けたいケースもあります。
こういった情報漏洩リスクを最小限に抑えるために、調査対象者に会場まで足を運んでもらい、誓約書等を書いてもらった上でアンケート調査を実施する会場調査が選択されることも多いです。

各調査種類のさらに詳しい解説はこちらの記事で詳しく解説していますので、調査手法を決める際の参考にしてください。
アンケート調査の作り方:調査にはどんな種類がある?インターネット調査ほか7種類を解説

4.アンケートで聞く内容(調査票・質問文)を作成する

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調査手法が決まったら、いよいよアンケートで調査対象者に聞きたい質問を起こしていく作業に入ります。
アンケートにおいては質問文のことを「設問」と呼び、設問をまとめたものを「調査票」と表現することが多いです。

調査票を作成する際には、信頼に足りうるアンケート調査結果を得るために注意しなければならないことがたくさんあります。
その中でも特に意識していただきたいことは以下の4点です。

①誰でも分かり、誤解のない表現を使うこと
②調査対象者を誘導させるようなバイアスをかけないこと
③言い回しをそろえること
④最後に見直すこと

①誰でも分かり、誤解のない表現を使うこと

アンケートに協力してくれる人たちに、質問の意図が伝わらなければあなたの求める回答は得られません。難しい言葉、まわりくどい表現はなるべく避け、誤解のない言い回しを心がけましょう。

【悪い例】
Q. 最近流行りのY2Kですが、あなたはY2Kなファッションがどのくらい好きですか。
・・・「Y2K(2000年前後のファッション)」は一部の若者が使っている、いわゆる「流行り言葉」であり、この単語を知らない人も多いと想定されるため設問の立て方として適切とは言えません。

【改善例】
Q.約20年前、2000年前後のファッションを意味する「Y2K」が流行していますが、あなたは2000年前後のファッションがどのくらい好きですか。

②調査対象者を誘導させるようなバイアスをかけないこと

アンケート調査は、あなた自身の考えからは得られない"第三者"の声を調査することで、様々な意思決定の判断材料や参考にするために行うものです。 そして、"第三者"である調査対象者の方たちには、なるべく自然に、こちらからは余計な情報を与えずにフラットな気持ちでアンケートに答えてもらうことが"第三者性の担保"に繋がります。
この"第三者性の担保"を脅かすのがバイアスなのです。具体例で見てみましょう。

【悪い例1:「はい」の回答に偏らせる設問】
Q.あなたも電動自転車にも自動車税を適用すべきだと思いませんか?
回答選択肢: はい / いいえ
・・・あなた「も」という言い方はまるで他の人も皆そう思っていると感じさせるような表現ですし、「思いませんか?」という同意を求めるような問いかけをされると、「はい」という回答を選びやすくなってしまいます。

【改善例】
Q.あなたは「電動自転車に自動車税を適用すべきだ」という意見についてどう思いますか。
回答選択肢: 賛成 / 反対

【悪い例2:人の心理につけこんだ設問】
Q.アンケートに最後まで回答してくれた人には、抽選で100名様にファッションブランド「×××」の新作カシミアマフラー(3万円相当)をプレゼントします!
では質問です。ファッションブランド「×××」をあなたはどのくらい好きですか。
回答選択肢:好き / 普通 / 嫌い
・・・抽選で3万円相当のプレゼントがもらえるかもしれないという状況の中では、「×××」を『嫌い』と回答する人がどのくらいいるでしょうか。プレゼントをもらうためには良いように回答したほうがいいだろう、と思ってしまう人が出てきてしまう可能性も大いに考えられるため、物で釣るような行為はご法度です。

③言い回しをそろえること

言い回しについても気を配りましょう。特に回答選択肢として用意するラインナップは、書き方がそろっていないと回答結果にばらつきが出てしまうので注意が必要です。

【悪い例】
Q.あなたが今年になってから購入したファッションアイテムをすべて選んでください。
回答選択肢:アウター / チェスターコート / ダウン / ムートンコート / どれも買っていない
・・・チェスターコート・ダウン・ムートンコートはいずれも「アウター」の1種です。カテゴリのレベルがそろっていないと、調査対象者がどこを回答したらいいのかが分からなくなってしまいます。

【改善例】
Q.あなたが今年になってから購入したアウターをすべて選んでください。
回答選択肢:チェスターコート / ダウン / ムートンコート / その他のアウター /どれも買っていない

④最後に見直すこと

アンケートを行うと、聞きたいことがたくさん出てきて後から「これも追加」「あれも追加」となりがちです。
ですが、作っていくうちに1章で定義したはずの「ゴールイメージ」がブレてしまい、最後に分析を行った際に「あれも聞いておけばよかった」「これは要らなかった」となることも多いです。
基本的なことにはなりますが、調査票がすべて完成したら、必ず最後に1問目から最終設問まで一連の流れを通しで見直し、調査の実施目的が果たせるかを再確認しておきましょう。

そのほかにも注意すべき点は多数ありますので、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
アンケート調査の作り方:適切な質問の仕方とは?調査票作成時のコツ11選

5.アンケート回答を募る

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調査票ができあがったら、アンケートに答えてくれる回答者を募りましょう。
回答者を集める方法はいろいろありますが、以下にインターネット調査で使われる手法を3つご紹介します。

①調査会社に依頼して、アンケートパネル内で回答を募る

アンケート調査を生業とするのが調査会社です。弊社、ビデオリサーチも「調査会社」としての側面を持っています。調査会社では、自社もしくは提携企業と連携してアンケートに答えてもらうために作った組織「アンケートパネル」を用意しています。(単に「パネル」とも呼ばれます。)
調査会社に依頼をすると、2章で定義した「アンケートの対象者条件」に合致する人も集めやすくなりますし、調査票をWEBページ上に起こして、アンケート画面を作るところから6章の集計・レポーティング業務まですべて代行してもらうことができます。

②自社ホームページや自社SNSで回答を募る

もっともやりやすいのがこの方法でしょう。自社ホームページにアンケートの回答ページを作り、ホームページを訪問してくれた人に回答を依頼します。
自社でSNSを運営している場合は、SNS上のアンケート機能を使ったり、もしくは自社ホームページ上にアンケートの回答ページを用意し、SNSに誘導するなどして回答者を募ることもできるでしょう。

③アンケートフォームを利用して回答を募る

専門知識がなくても調査票をWEBページに簡単に起こせるアンケートフォームの提供サービスは多数あります。また、最近ではMicrosoft FormsやZoomアンケートなど、コミュニケーションツールのイチ機能としてアンケート機能を兼ね備えたものも登場してきています。

GoogleフォームやSurvey Monkeyなどの無料でも利用できるものから、有料のものまでさまざまなものがありますが、各フォームごとに使用条件が異なるため、フォームを探す際は以下の観点を確認しておくことをオススメします。

・アンケートに回答してくれる人を集めてくれるところまで機能があるのか/調査票をWEBページに起こすところまでしか対応できないのか
・何問まで設定できるのか
・アンケート回答画面がスマホ利用者にも使いやすいUIになっているか
・(連絡先情報を記入してもらう場合)個人情報の入力を行ってもよい規約になっているか
・回答結果はどのように出力されるか

6.収集したデータを集計・分析する

最後に、アンケートの回答結果が集まったら集計・分析を行います。

集計とは、「今年のアンケート回答者100人のうち、モッズコートを着たいと思っている人の割合は50%、ダウンコートを着たいと思っている人の割合は70%」といった数字=スコアを算出することを指します。

そして分析とは、モッズコートの50%、ダウンコートの70%というスコアから「モッズコートよりもダウンコートを着たいと思っている人のほうが多いので、今年店頭で特設コーナーを設けるのはダウンコートにするほうがよさそうだ」という"示唆"を見出すことを指すのが一般的です。

*「分析」という単語を辞書で引くと「物事をいくつかの要素に分け、その要素・成分・構成などを細かい点まではっきりさせること」といった意味が出てきますが、アンケート調査における「分析」は細かな要素をはっきりさせたその「先」にある"示唆"まで求められることが多いです。

集計作業はExcelのピボットテーブルや関数などを使って自分で行うものから、6章で紹介した調査会社やアンケートフォーム提供会社の力を借りて一気に行うものまで選択肢は豊富にあります。
また、分析についても、データを見る際には一定のテクニックが必要です。
分析初心者の方向けのテクニックをまとめた記事もございますので、以下よりご覧ください。
データ分析初心者が知っておきたいプチテクニック7選

【最後に】アンケート調査「済み」のデータベースを使うという方法もある

ここまでアンケート調査の「作り方」について説明してきましたが、イチからアンケート調査を企画せずともアンケート調査ができる方法もあることをご存じですか?

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