小西 未来の記事一覧
記事数: 79件
-
【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】座席別の料金制度を導入した米映画館チェーンが批判を浴びる理由
米大手シネコンチェーンのAMCシアターズが、座席の位置によって料金が3段階に変わる「サイトライン at AMC」という新制度の導入を発表した(サイトラインは「視線」という意味)。 バリュー・サイトライン、スタンダード・サイトライン、プリファード・サイトラインの3つの料金体制で、バリューは最前列と障がい者向けの座席、プリファードは中央のもっとも人気がある座席で、それ以外がスタンダードとなる。スタンダ
-
【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】「THE LAST OF US」ゲーム原作の作品がここまで大ヒットしたその魅力とは?
日本ではU-NEXTで配信されている新ドラマ「THE LAST OF US」が、アメリカで大きな話題となっている。 米有料チャンネルHBOで1月15日に第1話が放送されると、初日だけで470万人が視聴。同局としては、社会現象を巻き起こした「ゲーム・オブ・スローンズ」の前日譚スピンオフドラマである「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」以来の数字で、口コミの広がりをうけて第2話は570万人に増加。 再放送やH
-
【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】ディズニーアニメ「ストレンジ・ワールド」興収振るわず。米興行界は復活したのか?
「アバター」の13年ぶりの続編となる「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」が公開5日間で世界総興収5億ドルと好発進した。 莫大な製作費が投じられているため、目標とされる20億ドル台に到達できるかはまだ不透明であるものの(ちなみに前作は29億2200万ドルで歴代1位)、この結果に関係者のみならず業界全体が胸を撫で下ろしていることだろう。 アメリカの映画興行界は、コロナ禍からの回復が叫ばれて久しい。実
-
【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】「アバター2」の成否が占う今後の米映画興行
コロナ禍の影響を受けたアメリカの映画館が通常営業を再開させてからしばらくが経過したものの、いまだに完全復活には至っていない。コロナ前の2019年の北米年間総興収が113億ドルだったのに対し、2022年は11月中旬の時点でわずか65億ドルだ。 「トップガン マーヴェリック」をはじめ、「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」などの大ヒット作が生
-
【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】スカイダンス・メディアの快進撃
2022年、最大のヒット映画といえばトム・クルーズ主演の「トップガン マーヴェリック」だ。 現時点(2022年10月)で世界総興収14億8000万ドルという成績は、同じコロナ禍に公開された前年トップの「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の19億ドルと比較すれば見劣りするものの、若い観客を対象にしたアメコミ映画ではなく、また、中国市場で公開されていないことを考慮すると驚異的な数字である。 そして
-
【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】ハリウッドにおける多様性と包括性。「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」の緊急声明とは?
先日、アマゾン・プライムビデオの大ヒットドラマ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」の公式ツイッターが、異例の声明を発表した。 「私たち『力の指輪』のキャストは絶対的な連帯感をもって、一部の有色人種のキャストが日常的に受けている容赦ない人種差別、脅迫、ハラスメント、虐待に反対するために団結します」 「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」(以下、「力の指輪」)とは、J.R.R.トールキンの「指輪物語
-
【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】マーベル映画の不都合な現実
現在、大ヒット中の「ソー:ラブ&サンダー」は、マーベル・スタジオにとって29作目の映画作品となる。2008年公開の第1作「アイアンマン」から14年でこれだけ多くの映画をリリースするばかりか、程度の差こそあれ、いずれもヒットさせているのは驚異的だ。 歴代世界総興収ランキングでは2位の「アベンジャーズ/エンドゲーム」を筆頭に、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・
-
【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】放漫のストリーミング業界が緊縮に急転換。その理由とは?
過去数年にわたり、動画配信サービスの覇権争いはエスカレートしてきた。 新興Netflixの成功を目の当たりにして、動画配信サービスに腰が重かった複合メディア企業も追撃を開始。ディズニーはDisney+、ワーナーはHBO Max、NBCユニバーサルはPeacock、パラマウントはParamount+を立ちあげた。成功の鍵は会員加入を促すオリジナルコンテンツであることから、それぞれ持ち前のIP(知的財
-
【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】「トップガン マーヴェリック」の爆発的ヒットがもたらした教訓とは?
トム・クルーズ主演の「トップガン マーヴェリック」(ジョセフ・コシンスキー監督)が北米市場で快進撃を続けている。 5月27日に封切られた同作は、祝日だった30日のメモリアルデーを含めた公開からの4日間で、北米興行収入1億6000万ドルというオープニング成績を記録。40年近くにわたりトップ俳優としてハリウッドに君臨し、「ミッション:インポッシブル」シリーズや「宇宙戦争」「マイノリティ・リポート」とい
-
【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】「ファンタスティック・ビースト」シリーズが打ち切り? 「ハリー・ポッター」の"魔法"が再現できなかった理由とは
「ファンタスティック・ビースト」(以下、「ファンタビ」)がシリーズ終了の危機に瀕している。 同シリーズは大ヒットシリーズ「ハリー・ポッター」(以下、ハリポタ)の前日譚で、全5作を予定していた。 だが、先日公開された第3作「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」(以下、「ダンブルドアの秘密」)の世界総興収は3億7600万ドル(2022年5月執筆時点)と、今までの「ハリポタ」シリーズのよう