ニュースリリース
株式会社ビデオリサーチ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:望月 渡)は、コロナ禍におけるラジオ聴取状況のトレンドについて、2020 年4 月にサービスを開始した「ラジオ365 データ」と、生活者のシングルソースデータ「ACR/ex 調査」より結果をまとめましたのでお知らせいたします。
コロナ禍の生活者におけるメディア接触状況や、行動・意識の変化について、当社のプレスリリースでお伝えしてきましたが、今回は"ラジオ"にフォーカスし、その聴かれ方を取り上げます。緊急事態宣言に伴う外出自粛により、自宅を中心とした生活やリモートワークといった環境の変化がありますが、ラジオにもその影響がありました。新たな生活環境下でラジオリスナーが増加した点とその背景をご紹介いたします。
1.ラジオ365 データからみる、ラジオ聴取人数の変化
◇2 月以降ラジオリスナーは緩やかに増加、緊急事態宣言以降より顕著に
ラジオ365 データで、首都圏民放5 局トータルの週別の平均聴取人数(※)をみると、2 月3 日週~3 月23 日週までは80 万人前後で緩やかに増加、3 月30 日週以降は更に増え、4 月20 日週には約90 万人とピークに達しました。その後ゴールデンウィークにかけて落ち着きましたが、5 月11 日週以降も86 万人以上と高水準を維持しています。時期的には、新型コロナウイルス感染症拡大のため外出自粛を心掛けるようになった頃から少しずつ増え、4 月中旬に聴取人数はピークに達していることがわかります。
※平均聴取人数:1分当たりのラジオ聴取人数(推計値)
2.ACR/ex調査からみる、ラジオリスナーの変化
◇新しい生活環境下で、女性10代リスナーが増加中
「ACR/ex調査(5月)」で新型コロナウイルスの発生による生活行動の変化としてラジオを聴く時間が増えた人は、男女12~69才全体で約1割。性年代ごとにみると、男性10代・30~60代、女性10代・50~60代では1割以上、特に男性40~60代が2割弱と増えています。なかでも女性10代は、一般的にはラジオをあまり聴かない層と言われますが、最近はアイドルやタレントがラジオパーソナリティを務める番組も増え、そういった番組を楽しみにラジオを聴く機会が増えているのかもしれません。
◇在宅勤務でラジオ聴取が増加?
外出自粛中にラジオを聴く時間が増えた人がどういうシーンや目的で聴いているのか推察すべく、「ACR/ex調査(5月)」のデータより新型コロナウイルス対策で行っている行動をみてみました。コロナ禍で聴取が増えたラジオリスナーは、在宅勤務をしている割合が平均と比べやや多く、在宅勤務のお供としてラジオを聴く機会が増えたのかもしれません。また、同じく聴取時間が増えたリスナーは、新型コロナウイルス対策に関する情報収集も積極的に行っていることがわかります。何かをしながらでもタイムリーに欲しい情報を得るための手段としてラジオを聴く機会が増えたことも考えられます。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛により、在宅勤務をはじめ生活環境が大きく変わりました。新しい環境下で生まれた、新しい体験や習慣も少なくないですが、その一つがラジオ聴取ということかもしれません。
ビデオリサーチは、今後もラジオ業界に貢献していくとともに、様々なメディアと生活者との関わり方など、その変化を捉えるよう努めてまいります。
(参考)今回使用したデータの調査概要
<ラジオ365データ>(ラジオ365データの詳細はこちら)
データ作成方法 | 当社で行っているラジオ個人聴取率調査の直近1年分(6回分)の聴取率調査データと、株式会社radikoが保有している同時期のradikoデータを用いて、機械学習により、日々のradikoデータからラジオ365データを推計して作成 |
集計対象エリア | 首都圏(一都三県) |
集計対象年齢 | 男女12~69才 |
集計期間 | 2020年2月3日(月)-5月31日(日) |
集計対象局 | 首都圏民放5局(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、TOKYO FM、J-WAVE) |
<新型コロナウイルスに対する生活者意識調査概要>(ACR/ex調査の詳細はこちら)