ニュースリリース

プレスリリース

関東大震災から100年、生活者の「防災」意識10年間の変化、 SNSでの災害情報入手、地震保険加入率が増加 ~日本最大級マーケティングデータ「ACR/ex」2023最新データより~

株式会社ビデオリサーチ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:望月 渡)はこの度、9月1日防災の日を前に、「ACR/ex調査」の最新データ(23年4-6月調査)と10年前の比較を通じて、生活者の「防災」意識の変化について調査結果をまとめましたのでお知らせいたします。

今回のリリースのポイント
☑ 災害情報の入手経路として7割が「地上波民放テレビ」を利用。この10年でSNS利用も増加
☑「地震保険」加入率は10年前より5pt増加、自然災害から家族・生活を守る意識が強くなっている

■災害情報の入手経路として7割が「地上波民放テレビ」を利用。この10年でSNS利用も増加

・「事件・事故・災害情報」の入手経路として、最も利用されているのは「地上波民放テレビ(70%)」、次に「地上波NHK(41%)」と続き、テレビメディアの利用率が高い。最新状況等を知りたい生活者が即時性と信頼性のある情報を期待して選択していると考えられる。(図表1)
・入手経路上位の中で10年前の2014年との差分をみると、最も大きく増加しているのは「ブログやSNSの書き込み(14%)」で6ptの増加。利用者の割合を性年代別にみると、14年・23年ともに男女それぞれ20代が最も多い。一方で「男性40代(23年20%)」、「女性40代(23年17%)」、「女性50代(23年18%)」は14年より5pt以上増加しており、40代・50代の比率が増えている。"ブログや SNSの書き込み"が、この10年で幅広い世代で活用されるようになったことが読み取れる。(図表2)

「事件・事故・災害」の情報入手経路:2023年上位(図表1)

事件・事故・災害情報の入手経路「ブログやSNSの書き込み」性年代別構成の推移 (14年・23年)(図表2)

■「地震保険」加入率は10年前より5pt増加、自然災害から家族・生活を守る意識が強くなっている

・この10年間で震度5弱以上の地震は全国で120件発生。熊本地震のあった16年33件が最も多く、規模の大きい地震が年間平均12件発生している。(図表3)
「地震保険」の加入率は23年時点で約3割、エリア別にみると最も高い地区は11年東日本大震災で被害の大きかった「仙台(38%)」となっている。(図表4)
・14年からの変化をみると、「7地区計(23年28%)」は5pt増加。地区別では「札幌(23年28%)」で12pt、「関西(23年31%)」で9pt、「北部九州(23年26%)」で7pt、「広島(23年29%)」で5pt増加するなど、地震保険の加入率は各地で高くなっている。
特に「札幌」や「北部九州」での加入率増加は、震度7が観測された16年熊本地震、18年北海道胆振東部地震などをきっかけに多くの人が大地震に備える重要性を認識したことが影響していると考えられる。(図表4)

震度5弱以上の地震発生回数<全国> (14~23年)(図表3)

※気象庁「震度データベース検索」(https://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/index.html)よりデータを引用し加工

地区別「地震保険」加入率[世帯単位] (14・23年4-6月)(図表4)

災害情報について、発生状況を捉えるメディア、生活者の情報を得るためのメディアなど、多様化するメディアが生活に浸透している様子が調査結果から見受けられます。
9月1日は「防災の日」です。今年2023年は関東大震災(1923年)からちょうど100年の節目の年でもあります。地震のみならず台風や大雨による水害など自然災害が多発する環境の中で安全・安心な毎日を送るために、防災への意識を高め対策する機会とし、改めて家庭内の備えを見直すことも重要ではないでしょうか。

ビデオリサーチはこれからも、より心豊かなコミュニケーション活動に向け生活者の意識や変化を捉え、調査を通じて社会や企業の一助となるよう今後も努めてまいります。

【ACR/ex調査概要】

1.調査手法 回答専用タブレットを用いたインターネット調査(ACR/ex調査)
2.対象者抽出方法 ARS(エリア・ランダム・サンプリング)※調査対象者の無作為抽出、インターネット非利用者も含む市場全体を母集団とする設計
3.調査地区 7地区(東京50km圏・関西・名古屋・北部九州・札幌・仙台・広島)
4.調査期間 2014年4-6月・2023年4-6月
5.調査対象者 男女12(中学生)-69才
6.調査対象者数 2014年調査:7地区計10,500s
(東京50km圏4,584s・関西1,708s・名古屋992s・北部九州785s・札幌839s・仙台806s・広島786s)
2023年調査:7地区計10,926s
(東京50km圏4,805s・関西1,770s・名古屋1,035s・北部九州817s・札幌824s・仙台850s・広島825s)

●株式会社ビデオリサーチ
株式会社ビデオリサーチは、テレビも含めた動画ビジネスを支えるデータ&システム会社です。テレビ視聴率データを提供する調査機関として 1962 年に設立し、以来、日本国内におけるテレビ視聴率調査をはじめとした各種メディアデータやマーケティングデータなど最先端のデータを提供し、企業のマーケティング課題解決のトータルサポートを行っています。