コンテンツ本来の価値を示す指標を 〜番組カルテからコンテンツカルテへ〜

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#コンテンツカルテ #視聴質
コンテンツ本来の価値を示す指標を 〜番組カルテからコンテンツカルテへ〜

テレビ番組の"質"的評価データとして40年以上にわたりサービスを提供してきた「番組カルテ」が、「コンテンツカルテ」として生まれ変わります。リニューアルに至った背景やおすすめポイントなどをブランドマネージャーである高橋がお伝えします。

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テレビ・動画事業ユニット テレビ事業グループ
高橋邦徳

1.総合的な番組の「質」を評価

Q.ずばり「コンテンツカルテ」って何ですか?

皆さんは、番組を見た時、その番組に対してなにかしらの感情を持ちますよね。その感情がポジなのかネガなのか、あるいはニュートラルなのかに加え、感情が生まれ動く要素を分解して、質的評価として捉えています。簡単にいうと、私たちは様ざまな角度から感情を評価しているということです。
コンテンツカルテは、そのような質的評価を具現化したもので、テレビ番組に対する認知・視聴経験・好感度・視聴感(イメージ)・視聴満足度などをまとめた基本的な評価軸と、出演者・企画内容などの各要素への評価をまとめたクリエイティブに関する評価軸の2つで構成されています。それらを掛け合わせて、総合的な番組の「質」を評価するものです。

2.時流に合わせた指標と提供を

Q.「コンテンツカルテ」へリニューアルすることになった背景は?

昨今、動画配信サービスの充実や視聴方法の多様化といった、世の中の視聴環境の変化が大きい中で、前身の「番組カルテ」も時代に沿った調査フレームに変えていくことが必要と判断したことが大きいです。テレビ番組のみの枠組みではなく、コンテンツ全般を質的評価することを視座において「コンテンツカルテ」として開発しました。

Q.リニューアルのポイントは?

今回、番組カルテからのリニューアルに伴い、今の時代に沿った調査項目(番組認知度・視聴経路など)を追加し、より多角的に分析できるようにしました。また、調査対象番組に配信オリジナルコンテンツを追加するなどの変更を実施しました。さらに、速報性と、より実用性を高めるため、調査回数を年2回から年4回へ増やし、調査サンプル数も約800sから約2,000sに拡大しました。
また、データのハンドリングがしやすい分析プラットフォーム「Tableau Cloud※」で提供します。

コンテンツカルテ リニューアルのポイント

※「Tableau Cloud」はエンタープライズレベルの完全ホスティング型クラウドベースの分析プラットフォームです。Tableauはお客様がデータを見て理解することを支援しており、データと分析のエンドツーエンドのプラットフォームとして、日本では株式会社セールスフォース・ジャパンが提供しています。

3.継続性と代表性を確保

Q.リニューアルにあたり、懸念したことは?

番組カルテは40年以上皆さまにご利用いただいている商品でしたので、時系列比較の観点で影響度合いなどを考えると、大きく調査フレームを変えることは難しい判断でした。
なので、リニューアルに向けては、代表性のある番組評価指標を担保できるかなど数年かけて検証を重ねていき、昨年末に問題ないと判断し、今に至ります。

4.配信オリジナルコンテンツと比較が可能

Q.「コンテンツカルテ」の特長を教えてください

まず、定点的な調査フレームであることで、レギュラー番組に関する評価の変化を把握できること、これが特長です。
そして、他番組との比較もできることです。同じ土俵(調査フレーム)に乗せて評価することで、当該番組の強みや特徴がみえてきます。
さらに最も大きく変わった点が、リニューアルのポイントでも挙げた「比較する評価軸がより多くなったこと」と、「配信オリジナルコンテンツとも比較できるようになったこと」です。例えば、これまで把握できていなかった「視聴経路」(テレビ視聴、配信サービスでの視聴など)まで把握できることにより、番組のプロモーションの検討材料として活用できることも考えられます。

Q.「コンテンツカルテ」はどのようなシーンで活用できるものか?

放送局様や制作会社様であれば、裏番組や同一ジャンル番組との評価を比較するなど、自社制作番組のコンディションを確認することもできますし、さらに、配信オリジナルコンテンツと比較して、番組の特徴を把握することでも活用できます。
また、広告会社様ですと、番組のタイムセールスに向けての販促資料のサポートに活用することもおすすめしたいですね。

5.リッチな視聴者プロフィールまで描ける

Q.今後、どのようなサービスへと成長させていきたいか?

コンテンツカルテでは、ACR/ex回答者から対象者を抽出し調査を実施しているので、豊富な調査項目を持つACR/exと掛け合わせることで、より深い分析ができるようになります。例えば、番組Aを見ている人は、「テレビをリアルタイムでほぼ毎日見る」、「買い物をすることが好き」、「洗剤や柔軟剤の広告関心高め」といったようなターゲットの詳細なプロフィールや、生活意識、ブランドに関する評価などを軸として分析することができます。つまりは今までになかった番組評価要素が加わることになり、多角的な評価を見られます。
また、調査対象者を同じとするタレントイメージ調査と掛け合わせて、タレントと番組の親和性なども可視化できるように検討を重ねています。
今後は、ACR/exデータを提供している集計システムVR-CIPにコンテンツカルテ調査も搭載し、皆さまが自由にハンドリングして分析できるようにしたいと考えており、来年度のデータ搭載を目指して準備を進めているところです。
このような準備を行い、近い将来、ターゲットがどの番組・コンテンツを評価しているのか、それぞれのコンテンツに対してどのようなイメージを抱いているのかを同じ基準で確認できることになります。

多様なコンテンツが溢れる今だからこそ、ターゲットに好まれている真のコンテンツを明らかにすることが出来るのがコンテンツカルテです。さらに制作側にとっては、量では測れない自社コンテンツの強みを示すことが出来ますし、クライアント(広告出稿する側)にとっては、視聴率によらず自社ターゲットに響くコンテンツを炙り出すことが可能になります。より深い視点で分析できるようになることで、コンテンツの本来の価値を示す指標として、本データを社内外で活用していきたいと思っています。

「コンテンツカルテ」と「番組カルテ」調査仕様比較

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※この記事はVRDIGESTで紹介した特集「視聴質」を編集したものです。
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