パリオリンピックは広告主数が東京の1.5倍に~オリンピックテレビCM出稿状況まとめ~
- この記事はこんな方にオススメ!
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- オリンピックにおけるテレビCMの出稿状況を調べたい方
- イベント時のテレビCM出稿を検討されている方
- テレビに携わる業務を行っている方
1.開会式は4147万人が視聴。日本時間深夜開催でも盛り上がったパリ五輪
24年夏に開催されたパリオリンピック(以下、パリ五輪)。
7時間の時差があるフランスでの開催ということもあり、多くの競技が夜遅い時間での放送となりましたが26時半(深夜2時半)から中継された開会式は生中継・ハイライトあわせて4147万人もの視聴者がリアルタイム視聴していました。
日本の金メダル獲得数は海外オリンピック史上最多となる20個。銀銅を含めた総数は45個となり、いずれも最多獲得数を更新しておりレスリング、柔道、体操といった"ニッポンのお家芸"からスケートボード、ブレイキンなどの新種目での若い選手の活躍も目立ちましたね。皆さんの記憶に残る試合は何でしたか?
さて本記事では、パリ五輪で放送されたテレビCMにフォーカスをあて、巨大スポーツイベントにおけるCM出稿状況や広告主動向をハイライトでお届けします。
2.五輪期間中はタイムCMが増加
【図1】はパリ五輪、そして2021年に開催された1つ前の東京五輪における1週間ごとのテレビCM出稿量(秒数)を比較したものです。
緑の折れ線が特定の番組をスポンサードしているタイムCM(番組提供CM)、青の折れ線が番組や放送局を横断して流すスポットCMを示しています。
これを見ると、赤枠で囲った五輪開催週は2大会ともタイムCMが増える代わりに、スポットCMが減る傾向が読み取れます。五輪期間中はレギュラーで放送されているテレビ番組よりも競技中継やハイライト番組などの単発番組が増えるため、単発番組限定でスポンサードすることにより番組内容にあわせた提供効果や選手/競技支援などの社会貢献を企図したタイムCMを選択する広告主が増えているものと推察されます。
3.関連番組でのタイムCM広告主数は1.5倍に
では、五輪期間中どのくらいのテレビ番組・テレビCMが放送されたのでしょうか。出稿が増えたタイムCMにフォーカスして、もう少し詳しく掘り下げてみたのが【図2】です。
東京五輪と比較すると、パリ五輪では民放5局(日本テレビ・テレビ朝日・TBS・テレビ東京・フジテレビ)で放送された関連テレビ番組数(※1)は123番組→109番組と1割弱減少しています。
他方、タイムCMを出稿した広告主の企業数は89社→133社と、1.5倍に増加していました。出稿本数も減少している中、広告主数が増えているのは1社あたりの出稿本数が減り、小口な出稿が増えたことが背景にあります【図3】。
パリ五輪では、期間中のタイムCM出稿本数が10本以下の企業が60社と全体(133社)の半数近くを占めており、東京五輪と比べるとその差は歴然です。
テレビCMは出稿に膨大なコストがかかるというイメージがある方も多いと思いますが、近年のテレビCMの出稿傾向ではスモールスタートでテレビCMを始める企業も増えています(※2)。オリンピックという一大イベントにおいても、同様の流れが起きたのかもしれません。
4.出稿上位企業1位は「Google」
最後に、タイムCMの出稿秒数が多かった広告主をランキング形式でまとめた【図4】をご紹介します。
パリ五輪での出稿1位は「Google(グーグル)」。東京五輪ではランク外でしたが、今回の五輪ではサッカー日本代表の三笘薫選手、車いすテニス日本代表の小田凱人選手を起用したスマートフォン「Google Pixel」をはじめとする複数のテレビCMが放送されました。
そして、前章で述べた通りパリ五輪ではタイムCM枠で出稿する広告主数が大きく増えています。東京五輪との重複を調べたところ、パリ五輪のみで出稿していたのは87社と全体(133社)の7割近くを占めていました。パリ五輪で新たにスポンサードを決めた企業が、どのような理由でその判断に至ったのか気になるところです。
パリ五輪の関連番組視聴率も公開しています
いかがでしたか。本記事ではオリンピックにおけるテレビCMの出稿状況をご紹介しましたが、競技中継などのテレビ番組視聴率を知りたい方は以下よりご覧ください。
【本記事で使用したデータソース】
・データソース名:ビデオリサーチ「テレビ広告統計」
・調査時期:
パリ五輪:2024.7.24~2024.8.12
東京五輪:2021.7.21~2021.8.8
・対象地区:関東
・指標:秒数
・CM種別:【図1】タイムCM・スポットCMおよびその合計/【図2以降】タイムCM
*タイムCMは「テレビ広告統計」内判定結果により定義
※1:関連テレビ番組定義=開会式、競技中継・ハイライト(見どころ)
※2:出典_TV AaaS Lab研究レポート「テレビCM初出稿広告主分析2010-2024」
―テレビ出稿のスモールスタート化が加速、スタートアップ企業の出稿も活況に―
https://www.hakuhodody-media.co.jp/newsrelease/service/20240904_35510.html
(本記事と同一データソース「ビデオリサーチ テレビ広告統計」を使用)