映画の記事一覧
記事数: 84件
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【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】原作者軽視が発覚。快進撃マーベルの死角とは
今となっては信じられないかもしれないが、アメリカン・コミックス(以下アメコミ)原作の映画のヒットが約束されていない時代がしばらくあった。 リチャード・ドナー監督の「スーパーマン」('78)をきっかけに、ハリウッドはアメコミ原作の実写映画化に着手することになるのだが、ティム・バートン監督の「バットマン」('89)や「バットマン リターンズ」('92)は社会現象になるほどのヒットを記録したものの、その
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【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】"ハイブリッド展開"に暗雲? 「ブラック・ウィドウ」が公開2週目で興行急降下
7月9日、ディズニーのマーベル・スタジオ最新作「ブラック・ウィドウ」が北米で封切られ、8000万ドルという今年最高のオープニング興収を記録した。 アメリカとカナダの大半の劇場は、新型コロナウイルスの影響で1年近くに渡って閉鎖。営業再開後、映画業界はしばらく注目作がない状態が続いていたが、5月公開の「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」が4754万ドル、6月公開の「ワイルド・スピード/ジェットブレ
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【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】カリフォルニア州が完全再開。ワクチン接種者はマスク不要に
2021年6月15日は、米カリフォルニア州の住人にとって記念すべき日となった。 2020年3月に新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから、世界の人たちと同様、カリフォルニア州の人々も新たな生活様式を取り入れてきた。同州では感染状況に合わせてリスクを4段階に色分けし、経済活動の制限を定める「Blueprint for a Safer Economy」というガイドラインを設立。厳しい規制を課してきた
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Synapse編集部が行く!日本アニメの現状 Vol.14「劇場版アニメのお金事情」
日本アニメの現状をお伝えする連載、今回は「劇場版アニメのお金事情」を取り上げます。次々にヒット作が登場している劇場版アニメですが、どれぐらいの興行収入があり、そのお金の流れはどうなっているのでしょうか。
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【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】AT&Tがメディア部門から事実上の撤退。HBO Maxはどうなる?
米通信大手のAT&Tが、メディア部門のワーナーメディアを分離し、メディア大手ディスカバリーと統合させる計画であると発表した。 AT&Tといえば、2016年に850億ドルという巨額でタイムワーナーに買収を提案。2018年に買収を完了し、ワーナーメディアとして新たなスタートを切る。だが、2020年に肝煎りで動画配信サービスHBO Maxをスタートさせるも低調な滑り出しで、ライバル
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【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】「ゴジラvsコング」が米映画興行界 復活のきっかけに
新型コロナウイルスの流行後に劇場公開された映画として、「ゴジラvsコング」が海外で大ヒットを記録している。 同作は、日米を代表するゴジラやキングコングが激突するアクション大作で、彼らを主人公とした一連の怪獣映画シリーズ「モンスターバース」を展開するレジェンダリー・エンターテインメントが製作し、ワーナー・ブラザースが配給しているものである。2021年3月下旬に世界公開した「ゴジラvsコング」は
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【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】中国が傑作「ノマドランド」に手のひら返しした理由とは
毎年この時期になると、洋画の宣伝文句として「アカデミー賞最有力!」の文字が躍る。 常識的に考えれば最有力の作品が複数あるわけがないのだが、アカデミー賞授賞式が行われるまでは、誰にも結果は分からない。つまり、言ったもの勝ち状態なのだ。配給各社は人々の期待をありったけ煽り、アカデミー賞発表までの短い期間に可能な限り多くの観客を動員しようとするのだ。 ただし、それまでの賞レースの流れを見ている映画
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【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】「マンダロリアン」が切り開いた、新たな映像制作手法
映画やドラマの制作方法には、大きく分けて“ロケーション撮影”と“スタジオ撮影”の2つがある。 ロケーション撮影ならば、その土地ならではの風景を作品に取り込んだり、既存の建造物をセットとして利用したりすることができる一方で、移動に手間がかかり、天候や日照時間などの環境に影響を受けやすい。スタジオ撮影ならば、気候などに左右されることなく、コントロールされた環境で撮影が可能だが、セットを作り上げる
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【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】先行投資でリードを築いた動画配信の“覇者” Netflix
米動画配信最大手Netflixの有料会員がついに2億人の大台を突破した。 先日行われた決算発表において、2020年10~12月期に850万人の新規会員を獲得し、全世界の有料会員数が2億370万人に到達したと発表した。 会員増の原動力は、新型コロナウイルス感染予防による巣ごもり需要の追い風に加えて、豊富で魅力的なオリジナルコンテンツにあるといえるだろう。 この期間(2020年10~12月)にも
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【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】ディズニーが投資家向けイベントで新作を大量発表
新型コロナウイルスが引き起こしたパンデミックは、今もなお、アメリカの映画界に深刻な影響を及ぼしている。再開した映画館は入場制限が課せられているうえに、スタジオが注目作の公開を相次いで延期したり、新作をストリーミング配信しているため、観客を動員できる魅力的なコンテンツが少ない。 制作に関しても少しずつ再開しているものの、厳格な感染予防対策が敷かれているため、コストが増大し、陽性者が出るたび中断