クラウド活用の推進
CCoE(Cloud Center of Excellence)
の取組み
クラウド導入は大きなメリットをもたらす一方、戦略や方針を立てずに個別最適で進めると期待通りの効果を得られないリスクがあります。その課題を解決し、クラウド活用を最大化するため、CCoE(Cloud Center of Excellence)が設立され、戦略的な支援と推進に貢献しています。
クラウドの導入以降、顕在化した課題
クラウド導入には、運用負荷の軽減、低コストの実現、システムやリソースの高い拡張性など多岐にわたるメリットがあり、近年多くの企業で導入されています。
当社でも社会の変化に迅速に対応し、データ活用をさらに推進するために、クラウド環境の整備や活用を積極的に進めてきました。しかし、多数のシステムやサービスへ展開を拡大する中で、いくつかの課題が顕在化したのも事実です。
例えば、選定されたアーキテクチャそのものに問題があったことでベンダ依存や高コスト、高リスクといった状態に陥ってしまうことがありました。背景には、全社的なクラウド統制や専門人材の不足といった問題があり、その結果としてクラウドの導入効果を最大限に引き出せない状況が生じていました。
CCoEの活動と意義
そこで当社では、全社的なクラウド活用を推進するためにCCoE(Cloud Center of Excellence)を設立しました。IT関連部門のメンバーを中心に、約20名が7つのチームに分かれて活動しており、定例会を通じて情報共有や課題解決に取り組んでいます。
チーム | 機能 |
---|---|
技術研究/調査 | 新規サービスや技術の検証や調査、それらの社内外への展開 |
テックブログ/ポータル運営 | VR Techブログや社内ポータルのCCoEページの運営、社内イベント企画 |
ルール策定/標準設計 | 標準設計や利用ガイドなどクラウド利用ルールの策定 |
アーキテクチャ/セキュリティレビュー | アーキテクチャレビューやセキュリティ審査 |
クラウド管理 | FinOps、アカウントなどVR全体のクラウド管理。クラウドベンダとの定例や対応事項の管理など。 |
開発運用支援 | CCoE内の各チームが制定した事項(ルール等)を適用するための実働、自動化ツール開発 |
人材育成 | IT部門のクラウド専門知識向上、非IT部門の基礎知識の習得 |
CCoEはビデオリサーチグループ内のクラウド利用に対し、アーキテクチャレビューやプロトタイプ支援、運用支援など、多角的なアプローチでサポートをしています。これにより、導入から運用までだけでなく、新たなサービス開発やビジネス価値の創出までを包括的に支援し、クラウドの利点を最大限引き出す体制を整えています。また、クラウドに関する標準設計や利用ガイドの策定、セキュリティ審査体制の構築など全社的なクラウドガバナンスを強化しています。
CCoE設立の最大の意義は、クラウドに関する課題を組織全体で共有し、意識を徹底することによって、これまで個別最適にとどまっていたクラウド利用を全社的な視点で最適化する基盤を築いた点にあります。
CCoEの目指す未来
クラウド技術は常に進化しており、当社のサービスも増え続けています。そのため、クラウド活用に明確なゴールはありません。そこで当社のCCoEでは、将来的には適切なクラウド統制のもと各部門やサービスが自立的にクラウドを活用できる状態を目指しています。

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